クチコミプロデューサー小宇佐です。
2018年7月8日にこの記事を書いています。
51人死亡、76人不明 広島・愛媛で被害拡大。被災者ならびにそのご家族にお見舞い申し上げます。
この記事、1訪問者あたり1円の寄付を行うこととしました。寄付金は、自治体への義援金や、支援団体への支援金(ピースウィンズ・ジャパン)として被災地に届けます。
ぜひ、保存していただき、
- 災害が起こった際に、自粛・萎縮してしまいがちな起業家
- 災害時にビジネス活動することを、理解しがたい起業家の家族・友人・知人
に、転送していただけると幸いです。
大災害が起きた時、楽しいことやビジネス活動をするのは「不謹慎」で、イベントは「自粛するべき?」ヤフーの検索ワードを分析すると「不謹慎」「自粛」が東日本大震災以降に増えています。
笑顔の写真をアップすれば「不謹慎」と突っ込まれ、被災状況をアップすれば「不幸自慢」と批判される、「不謹慎狩り」の言葉が流行る今の日本。
この自粛ムードに対する、起業家・経営者目線の明確な答えは、まだ希少なようです。
起業家・経営者は、何を想い、何を軸に、どんな立ち振る舞いをすればよいのか?
今回は、「不謹慎狩り・自粛ムードに負けるな!災害時に起業家が経済活動に没頭するための心得」をお伝えいたします。
何を投稿しても揚げ足を取られる「不謹慎狩り」とは?
この場では、「不謹慎狩り」を、「災害時に発信された目につく行為を取り上げ、『被災者がいるのに不謹慎だ』と非難する行為」と定義します。
2016年熊本震災時の不謹慎狩りの事例
2016年4月14日の熊本震災時には、以下の芸能人が、不謹慎狩りに合っています。
モデルの西内まりやさんは、熊本の人々を心配する投稿をしていた。ところが、「非常時に必要なもの一覧」と題したイラストに自撮り写真をつけて投稿したところ、「アピールするな」「自撮りは要らない」と炎上する事態に。その後、西内さんは該当ツイートを削除した上で謝罪し、被災地に役立つ情報やユーザーの言葉をリツイートするようになっている。
女優の長澤まさみさんは、地震発生直後に女優のりょうさんたちと撮った笑顔の写真をInstagramに投稿したところ、やはり不謹慎と批判を受けて削除している。
また、現地で実家全壊の被害に遭った井上晴美さんは、ブログで現地の情報を発信していたが、「可哀想な私アピールはやめろ」と批判され、「ただ私が感じていること書いてることがなぜそんな風になるのかよくわかりません 残念です これで発信やめます これ以上の辛さは今はごめんなさい 必死です」と情報発信を中止することを宣言した。
熊本市内に住む女性が震災後に投稿した「ビールなんか買いに行ったら、こっち(熊本)の人に『不謹慎』って言われて噂が立つけん」という呟きが、この一連のバッシングがいかに病的であるかを物語っていると話題になった。
【熊本地震】有名人への批判の声…歪んだ不謹慎狩り
今のところ非難をゼロにする方法はない
不謹慎狩りの事例をご覧いただいておわかりの通り、「ああ言えばこう言う」の世界。何を発信しても、どれだけ注意しても、非難やバッシングをゼロにする方法はありません。
情報が溢れ、各個人が情報発信・受信を瞬時にできる時代。多種多様な価値観をもつ人間がやりとりしますから、仕方ないでしょう。まずは自覚することからスタートです。
とはいえ、「できる限り人を人を傷つけたくないし、不快にさせたくない」そう感じる人が大半でしょう。
SNSは2つの特性を持っています。
SNSで発信するには、2つの視点が必要だと思います。
ひとつめは、「誰もそんなに見ていない」という視点。
もうひとつは、「誰がどこで見ているかわからない」という視点。
自分の意見に対して、賛同してくれる人や、気づきを得て人生を好転させる人なら、たくさんの人に読んで欲しい。
しかし、自分の意見に対して、まったく聞く耳を持たずに、批判・バッシングばかりをする人には、読んで欲しくない。
だからこそ、被災者に寄り添い、不必要に敵を作らない発信をする方法をお伝えします。
災害時にお見舞いと経済復興を両立させる起業家の5つのステップ
災害時にお見舞いと経済復興を両立させる起業家の5つのステップは、以下の通りです。
- 自分にできる支援を行う
- 被災者に配慮した発信を行う
- ビジネスの成果=震災の貢献に直結する企画を行う
- 誰に遠慮することなくビジネスに没頭する
- ステップ1に戻る
1.自分にできる支援を行う
まずは、自分にできる支援を行いましょう。
自分にできる範囲で構わないと思っています。
具体的には、以下の通りです。
- 東日本大震災でも大きな役割を果たした災害ボランティア
- 支援物資を現地に送る
- そして寄付をする。
他にも、応援される起業家育成大学 応援大学学長 向井文馨さんは、早々にこんなプロジェクトを立ち上げられています。
告知直後から、多くの応援メッセージが寄せられているようです。
これ以外にも、
- 情報を拡散する
- 安否情報を共有する
- 無事を祈る
なども有効でしょう。
情報拡散にあたっては、デマを拡散してしまわぬよう、くれぐれも、情報の真偽にはご注意ください。
2.被災者に配慮した発信を行う
発信を行う際には、ひとこと、災害にお見舞いのメッセージをつけておくと良いでしょう。
「被災者ならびにそのご家族にお見舞い申し上げます」の一言があると、「災害のことを認識していて、気にかけていますよ」の意思は伝わるはずです。
フェイスブック投稿なら、全投稿に書かずとも、1日1投稿くらいお見舞いがあるといいかもしれません。
3.ビジネスの成果=震災の貢献に直結する企画を行う
今回の一番のポイントはココです。
「あなたのビジネスの成果が上がるほど、震災の貢献に直結する企画」を立案し、実行するのです。
例えば、
- 売上の一部を災害に寄付する
- 集まった売上を資金に、被災地に出向き、無料の施術ボランティアを行う
- ブログ記事の1訪問者あたり1円を寄付する
でも良いでしょう。
テレビショッピングのジャパネットたかたも、東日本大震災時には、ビジネスの成果=震災の貢献に直結する企画を行なっています。
東日本大震災で多くの人の生活が変わった。
当社も10日間はテレビショッピングの番組を自粛するつもりだった。だが本当に被災地のことを考えていくのであれば、企業としての仕事を頑張り通すしかないのではないかと考え、3月16日に番組を一部再開しようと社内で提案した。単に放送を再開するのではなく、テレビ1500台とランタン1000個を用意し、それらの売り上げのすべてを義援金にしようと提案したのだ。
午前9時半に番組がスタートし、冒頭ですべての売り上げを全額義援金として被災地に送る旨を視聴者に伝えた。すると商品の紹介が終わらないうちに10分で全部の商品が売り切れた。コールセンターには次々に電話が入ってきた。「本当にわたしたちの気持ちが被災地に届くのか」と。その時に私たちはビジネスを進めながら支援に取り組まないと、本当の支援にはならないと確信した。自分たちが信じること、企業が信じることを突き進むべきだ。
気にすることなく、善を行いなさい
あらかじめこの場でお伝えしておきます。
このようなキャンペーンをどれだけ善意で行っても、「偽善だ」「売名だ」と思う人・言う人はいるでしょう。
しかし、私は自問自答するのです。
と。
私は後者を選びます。
「売名だ!」と言われるかもしれない恐怖に打ち勝つ勇気をくれるのは、以下の言葉です。
人は不合理、非論理、利己的です。気にすることなく、人を愛しなさい。
あなたが善を行うと、利己的な目的でそれをしたと言われるでしょう。気にすることなく、善を行いなさい。
目的を達しようとするとき、邪魔立てする人に出会うことでしょう。気にすることなく、やり遂げなさい。
善い行いをしても、おそらく次の日には忘れられるでしょう。気にすることなく、善を行い続けなさい。
あなたの正直さと誠実さとが、あなたを傷つけるでしょう。気にすることなく正直で誠実であり続けなさい。
助けた相手から恩知らずの仕打ちを受けるでしょう。気にすることなく、助け続けなさい。
あなたの中の最良のものを世に与え続けなさい。けり返されるかもしれません。気にすることなく、最良のものを与え続けなさい。
気にすることなく、最良のものを与え続けなさい。
参考:マザー・テレサの名言
4.誰に遠慮することなくビジネスに没頭する
災害に対して、自分にできることを見極め、自分がやることを定めたら、あとは通常通り、ビジネスに没頭するだけです。
被災者に配慮しながらも、できることに集中しましょう。
5.ステップ1に戻る
自身のビジネスで売上や収益を上げられたら、ステップ1に戻り、自分にできる支援を行いましょう。
「お金を稼ぐのは自分の利益のため」の価値観をぶち壊せ
人と人が関わる時、同じモノを見ているのに、まったく正反対の意見になることがあります。
それは、立ってる場所が違うから。立ってる場所とは、立場とも言います。
立場が違うから、意見が異なるのです。
「不謹慎だ」と騒ぎ立てる人と、そうでない人とは、立場が違います。
必要以上に「不謹慎だ」騒ぎ立てる人は、「被災者はかわいそうなんだから、被災していない人は、自分勝手なことをせずに、寄り添って同じ気持ちを共感してあげようよ」という発想です。
一方、ある人たちは、「ずっとじっとしていても、何も変わらないし、被災者の人たちの役には立てない。どんどん動こうよ」と考えます。
感情と理論の水掛け論。このテーマでの議論は、ずっと平行線をたどるでしょう。
だからこそ、ひとつの提案として、災害時にお見舞いと経済復興を両立させる起業家の5つのステップを提唱いたしました。
人は、自分にできることしかできない。だからこそ、自分にできることをやり尽くしたら、あとは不必要に自分を責めすぎず、自分の持ち場でやりきること大切ではないでしょうか。
私が心に留めているのは、次の言葉です。
知恵がある奴は知恵を出そう。
力がある奴は力を出そう。
金がある奴は金を出そう。
「自分は何にも出せないよ」っていう奴は元気出せ。
松山千春
大企業が動けない災害時に日本を救えるのは個人起業家しかいない
大規模な災害時、大企業は経済活動を自粛せざるを得ません。
組織や社会が「自粛」「不謹慎」「不要不急」などという理由から、消費を抑えている実情だ。被災者の厳しい生活や原発事故が続いている状況で、通常通りの営業やイベントを続けると、非難されるのではないか、という恐怖感も「自粛」に拍車をかける。
引用:「消費の自粛」の正体
だからこそ、個人起業家こそが、復興初動の大きなチカラとなる。
私はそう信じているからこそ、個人起業家には、誰に遠慮することなく大いに経済活動を行なって欲しいと考えています。
されど人は感情の生き物である
ここまで論理的に、起業家・経営者は、何を想い、何を軸に、どんな立ち振る舞いをすればよいのかを、語ってまいりました。
きっと、みなさん、ここで私が書いたこと自体、頭では理解できると思うんです。けれども、そうは言っても、やっぱり、被災された人のことを想うと、胸が痛みますよね。
議論になりそうになったら、「論破するのではなく、相手の立場や感情を思いやって、寄り添った発信をしよう」そう感じています。
さて、この記事、1訪問者あたり1円の寄付を行うこととしました。寄付金は、自治体への義援金や、支援団体への支援金(ピースウィンズ・ジャパン)として被災地に届けます。
ぜひ、保存していただき、
- 災害が起こった際に、自粛・萎縮してしまいがちな起業家
- 災害時にビジネス活動することを、理解しがたい起業家の家族・友人・知人
に、転送していただけると幸いです。
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異常気象や天変地異による、災害がおさまることを願っております。