クチコミプロデューサー小宇佐(こうさ)です。
多くの起業家・経営者は、集客できなかったり、商品・サービスが売れなかった時、「高すぎたから売れなかったんだ」と思い込みがちです。その根底には「安くなければ売れない」という価値観が刷り込まれています。しかし世の中には、「安くても売れない」商品・サービスがたくさんありますし、逆に「高くても売れている」商品・サービスもあります。
起業家・経営者にとって、売上アップは必須課題であり、ちまたにはいろいろな手法があふれています。しかし、その手法の多くは、「新規集客数を増やそう」「リピートを増やそう」のどちらかが大半で「客単価を上げよう」とするアプローチは少数派です。
そこで、本記事では、「客単価アップで売上を上げる!個人起業家が今日から使える3つのテクニック」をお伝えします。
客単価とは「1回の購買によって消費者1人当たりが支払う総額」である
まずは言葉を定義しておきます。
この記事では、客単価を「1回の購買によって消費者1人当たりが支払う総額」と定義します。
客単価=A商品単価×数量+B商品単価×数量+C商品単価×数量で算出される
客単価を分解すると、以下のようになります。
客単価=A商品単価×数量+B商品単価×数量+C商品単価×数量・・・
数式だと分かりづらいので、ハンバーガー屋さんの例を記載します。
客単価=ハンバーガー230円×5個+コーラMサイズ220円×2個+ナゲット5ピース300円×1個=1,890円
この場合、1,890円が客単価となります。
客単価を上げる要素は数量・種類・商品単価アップの3つしかない
ハンバーガー屋さんの立場になってみてください。客単価を上げる方法は、3つしかありません。
- それぞれの商品の数量を多く買ってもらう
- たくさんの種類を買ってもらう
- それぞれの商品の金額を上げる
実現可能かどうかはさておき、それぞれをイメージするため、以下の例を記載します。
それぞれの商品の数量を多く買ってもらう
- ハンバーガー5個→10個
- コーラMサイズ2個→4個
- ナゲット5ピース1個→2個
と、倍の数量を買ってもらえば、客単価は倍になります。
たくさんの種類を買ってもらう
さらにポテトやアップルパイを買ってもらえれば、その分の客単価が上がります。
それぞれの商品の金額を上げる
それぞれの商品単価を上げるとは、
- ハンバーガー230円→460円
- コーラMサイズ220円→440円
- ナゲット5ピース300円→600円
という具合です。実現できれば、客単価は倍になります。
それぞれの商品の数量を多く買ってもらう
たくさんの種類を買ってもらう
それぞれの商品の金額を上げる
この3つのどれかのみを使うか、3つのうち2つを組み合わせて使うか、3つ全部使うか。その方法しかないのです。
今日から使える客単価を上げる3つのテクニック
それでは、数量・種類・商品単価アップを実現させるための、3つのテクニックをご紹介します。
それぞれの商品の数量を多く買ってもらう「アップセル」
より多く買ってもらう方法として、アップセルという手法があります。あなたも聞いたことがあるでしょう。「あと50円でLサイズにできますがいかがですか?」というトークのアレです。(ポテト1つという個数は変わってないが、MサイズとLサイズでポテトの本数が増えている)
他にも、
「2個目を買うと2個目が半額で買える」
「回数券だと15%割引」
などがあります。「数量を増やして単価を上げながらも、お得感のある特典を付与する」のが、スムーズなアップセルのポイントです。
たくさんの種類を買ってもらう「クロスセル」
たくさんの種類を買ってもらう方法として、クロスセルという手法があります。
「ハンバーガーと一緒にポテトもいかがですか?」でおなじみですね。
他には、「スーツを買ったらYシャツが半額」「ラーメンご注文の方にはプラス100円で餃子がつけられます」「5000円以上送料無料」などがあります。
「Yシャツが半額」「セットだと単品を買うよりも50円安くなる」「送料が無料になる」と、メリットを出すことで、お得感が生まれます。
その際、お店が損しないように、餃子の数を単品では8個、セットだと6個といったように変える方法は、「ポーション変更」と呼ばれるテクニックです。
初めから高い商品やセット買いを勧められたらされたらハードルが高いのですが、1つの商品を注文した瞬間に言われたら、頷いてしまいやすくなるのが、人の心理です。
それぞれの商品の金額を上げる「松竹梅の法則」
客単価単価を上げるために、商品単価を上げる。その方法のひとつは、「松竹梅の法則」と呼ばれる、3パターンの価格帯を作る手法です。
3パターンの価格帯を用意することで、お客様の多くは、次の心理をたどります。
一番高い「松」は避けよう。一番安い「梅」にしたいけど、ケチだと思われたくない。間をとって「竹」にしよう。
結果、一番無難な真ん中のコース「竹」が選ばれやすくなるのです。この心理をふまえて、お店側が一番売りたい商品を一番売りたい価格で、真ん中の「竹」コースに設定する。その上下に「松」と「梅」を設定するのです。
販売数の割合は、「松:竹:梅=3:5:2」になると言われていますので、結果的に平均単価が上がります。また、お客様自身が選びますので、納得の度合いが高まります。
もちろん、松の商品には、店舗・装い・包装などを創意工夫し、高級感を演出する必要があります。
さらに、フルスペックな松の上位モデルの「特松」を用意するのも一案です。自分では「なかなか売れないほど高額で、手の届かないレベル」と感じたとしても、買ってくれるお客様が出てくるかもしれません。結果、さらに平均単価が上がるでしょう。
テクニック偏重で信用を失わぬようご用心
ここまで客単価アップの手法をお伝えしてきましたが、テクニックを必要以上に使い倒すのには注意が必要です。なぜなら、ビジネスは、信用・信頼の上に成り立っているから。
テクニックで心理を煽り、極端に単価を上げると、購入決断時に高揚きていた気持ちが冷めた時、「私は騙されていたんじゃないか?」と、不信感を募らせることになるからです。
個人起業家が客単価アップで豊かになるベストアンサーは「高単価のオリジナルビジネス創造」一択
個人起業家が客単価を上げる方法として、私がオススメしているのは、「価格以上の価値を提供できる高単価のオリジナルビジネスを創ろう」ということです。
なぜなら、時間・労力・お金の資本に限りのある個人起業家が、商品点数を増やすことは、資本を分散させ、「何屋さんなのかよくわからない」という状況を招くからです。
また、無形商品を提供する個人起業家が、商品点数を多く買ってもらうこと(エステや治療院の回数券販売)は、将来の代金を前払いでいただいているだけで、起業家・経営者の時給アップには、つながっていないからです。
つまり、個人起業家が売上を上げるには、商品単価を上げるしか道はないのです。
価格以上の価値を提供できる高単価のオリジナルビジネスを創ろう
では、どうやって、高単価のビジネスを創るのか?価格の決め方には、様々な手法がありますが、売れる価格の付け方で記載の通り、「価格<価値」が成り立てば、お客様は喜んでお金を払ってくれると捉えています。
ですので、価格を上げたければ、価値を高めれば良いだけです。
買えないモノを創り、買えない人の役に立つから、高単価でもお願いされる
「自社商品・自社サービスの価値を高めよう」とする時、多くの起業家・経営者は、同業他社をベンチマーク(指標)にします。例えばエステサロンなら「他社は60分の施術だから、ウチは75分やろう」「他社は10,000円だから、ウチは8,000円でやろう」「他社は駐車場代が出ないけど、ウチはサロンで負担してあげよう」と、やってしまいます。これではうまくいきません。
スティーブ・ジョブズは、こんな名言を残しています。
美しい女性を口説こうと思った時、ライバルの男がバラの花を10本贈ったら、君は15本贈るかい?そう思った時点で君の負けだ。ライバルが何をしようと関係ない。その女性が本当に何を望んでいるのかを、見極めることが重要なんだ。
つまり、「ライバルに着目して、ライバルを出し抜こう」とするのではなく、「お客様に着目して、お客様が未だに満たせていない欲・問題は何だろう?」をトコトン考え抜き、「その欲・問題を絶妙に解決する商品・サービスを開発する」から、他社と競合せず、高単価でもお客様からお願いされる、オリジナルビジネスが生まれるのです。
自分だけのオリジナルビジネスを生み出す方法で記載した通り、「他では買えない商品・サービス」へのリニューアル・リポジショニングが重要です。
ジャパネットたかたでICレコーダーがお母さんたちにバカ売れした理由
リポジショニングをリアルにイメージするために、ジャパネットたかたの事例をご紹介します。テレビショッピングのジャパネットたかたは、ICレコーダーの新しい切り口を提案することで、まったく新しい市場を切りひらきました。
ICレコーダーが売れた理由
テレビショッピングで有名なジャパネットたかたでは、ICレコーダーをなんと、全国のお母さんたちに売ったという。ICレコーダーとは音声を録音する端末機器で、主にビジネスの場で使われることが多い。会議の記録や、顧客との商談の記録など、多くの場合は家庭では使われない。ただ、ジャパネットたかたでは、お母さんたちにICレコーダーを売りまくった。その理由はたった一つ。ICレコーダーのメリットをお母さんたち向けに提案したからだ。
ICレコーダーで手軽にメモができる。留守の時に子どもに「ご飯をチンしてね」や「今日は何時に帰る」などの音声メモを残しておくのだ。ビジネスマン向けの機械をお母さんたちに別の使い方を提案することで、売れまくったというのだ。
そこでのポイントは商品の機能をただ単に説明したというわけじゃない。その機能でどんなに生活が便利になるか、生活が豊かになるか提案することが重要だ。ICレコーダーの機能を紹介しても、その便利さには気づかないだろう。全国のお母さんたちは、ビジネスマンはそのようにしてメモをしているのだと感じるだけだ。だが、上記のような子どもにメモを手軽に残せるという提案をするだけで、同じ商品の同じ機能であっても、お母さんたちにとっては重要なものに感じる。
「軽くて、安くて、音声がキレイに録れますよ」と、ライバルと比較してアピールしたのではなく、「『ご飯をチンしてね』ってメモ書きじゃなくて、声を残したほうが、お子さん安心しますよね」と、子どもを残して働きに出かけるお母さんの心配事にアピールしたのがポイントです。
開発した高単価のオリジナルビジネスがバカ売れした個人起業家の事例3選
小宇佐がプロデュースし、高価値・高単価商品へとリニューアルした3つのビジネス事例をご紹介します。
卒園時に夢を語り、自ら歩む子ども子どもが育つ「母学3カ月レッスン」(当時名称)開講
母親向け教育プログラム「母学アカデミー」を開発された、学長の河村京子さん。
卒園児に夢を語り、自ら歩む子どもが育つ「母学3ヶ月レッスン」(当時名称)を開講
2,000冊の育児書を読破し、我が子を東大・京大に入学させた経験をベースに開発された「母学」。
小宇佐とともに、「3ヶ月集中プログラム」を開発。27万円(当時金額)の高額プログラムに関わらず、2018年5月現在、130名以上の卒業生を輩出しています。
我慢も運動も不要!お腹まわりからガンガン痩せていくnovo式ダイエットをリニューアル
食事療法novo式®︎を開発された、医師・医学博士の龍見昇さん。
我慢も運動も不要!お腹周りからガンガン痩せていく!novo式ダイエットをリニューアルしました。故・船井幸雄さんにも認められた、独自開発の食事療法プログラム。一般販売を行うも「辛そう」「難しそう」の印象から、5年間販売は振るわず。
小宇佐とともに、ダイエットへのフォーカス、ネーミングのリニューアルから着手。8万円の高額プログラムにも関わらず、リリース2日目で面識のない方からフェイスブックで申込が入る。単価12万円にアップしても、集客ペースは変わらず、人気を博しています。2018年6月現在、25万円で提供中。
週3日で月100万円稼げる住宅マネープランナー養成講座を開講
名古屋市のファイナンシャルプランナー事務所、小宇佐・針田FP事務所
設立2年目から、意識的にお客様の声を集め、活用をスタート。その結果、クチコミ・紹介で相談案件が激増。2012年には年間208世帯、2013年には年間358世帯、2014年には年間398世帯をご紹介いただいた。その様子が船井総研担当者の目にとまり、講演依頼を受ける。全国から講演依頼が相次ぎ、ラジオ番組のレギュラーコメンテーターまでつとめるように。自身のメソッドを体系化し、週3日で月100万円稼げる住宅マネープランナー養成講座を開講。名古屋・福岡を中心に、週3日で月100万円稼げる住宅マネープランナーを多数輩出。
価格以上の価値を提供できる高単価のオリジナルビジネスでビジネスを実現しよう
客単価を上げる要素は数量・種類・商品単価アップの3つしかありません。そして実行の具体策、アップセル・クロスセル・松竹梅の法則をご紹介しました。ただし、テクニックを必要以上に使い倒すのには注意が必要です。なぜなら、ビジネスは、信用・信頼の上に成り立っているから。個人起業家が客単価を上げるには、価格以上の価値を提供できる高単価のオリジナルビジネスを創りましょう。
高単価のオリジナルビジネスをつくる方法は、マンツーマンの個別相談、シェアマーケティングセッションでお伝えしています。